
TRAVEL REPORT / LONG DISTANCE
KTM 1190 ADVENTUREで行く北海道・利尻島・礼文島 3,500kmの旅
約3,500km、10日間。静岡から北上し、宗谷岬、利尻島、礼文島、道東、襟裳岬をつないだ北海道ツーリングの記録。
- DISTANCE
- 約3,500km
- DURATION
- 10DAYS
- ROUTE
- 17STOPS
- MACHINE
- 1190ADVENTURE
初めての北海道は、空冷R1200GSで巡った。ならば次はKTM 1190 ADVENTUREで走ってみたい。知人の渡辺くんを誘い、再び北を目指すことにした。
ただし、北海道へ着く前から旅は始まっている。長距離で止まらないために、冷却系ホース、燃料系統、油脂類、タイヤとブレーキ、バッテリー、灯火類を確認した。
製造から8年が経過した車両だ。交換時期だけではなく、にじみ、亀裂、硬化まで見る。整備中にはホースが途中でもげた。小さな劣化を出発前に見つけられたと思っていた。
PRE-RIDE CHECK
KTM 1190 Adventure、
出発前の整備。
1190 ADVENTUREでは、燃料フィルターの詰まりによってガス欠に似た症状が出た事例を聞いていた。そこで燃料ホースを含め、足まわりから燃料系まで点検した。
この1190は放置車ではない。それでも、時間はゴムや樹脂を確実に変えていく。旅仕様への準備とは、部品を追加することだけではなく、経年した部分を見直すことでもある。


DAY 01–02 / NORTHBOUND
静岡から青森862km。
フェリーで北海道へ。
選んだ入口は青森だった。静岡から青森のフェリーターミナルまで約862km。茨城でラーメンを食べ、岩手で一泊し、2日目に津軽海峡へ着いた。
すでに若干疲れている。それでも、船が陸地を離れていくと空気が変わる。ディーゼルエンジンの鼓動と夕日。北海道ツーリングは、函館へ着く前から始まっていた。

- 静岡
- 茨城
- 岩手
- 青森
- 函館
- 積丹
- 札幌
- 富良野
- オロロンライン
- 宗谷岬
- 利尻島
- 礼文島
- 猿払
- 清里
- 根室
- 襟裳岬
- 苫小牧

TROUBLE LOG / SHAKOTAN
積丹でエンジン停止。
燃料キャップを疑う。
函館から札幌へ向かう途中、積丹半島でガス欠に似た症状が出た。時間を置くと何事もなかったように始動する。頭の中のトラブルシューティングをたどり、燃料キャップの通気穴を疑った。
当時は応急措置として燃料キャップを半開きにして走り、小樽のホームセンターで取り外して通気穴を清掃した。ドレン側から泥のような汚れが出ると、症状は改善した。
FURANO / ORORON LINE / THE NORTH
富良野からオロロンライン、
宗谷岬へ。


札幌を朝5時に出発し、ラベンダー畑で有名な富良野へ。2回目でも景色には感動した。しかし宗谷岬まではまだ遠い。バイクを降りて眺められたのは、わずか10分だった。
オロロンラインを北上中、首に強い衝撃と激痛が走った。飛んできた虫はハチだった。すぐに止まれる場所がなく、そのまま稚内まで走り、最初に買ったのは虫刺され薬だった。
宗谷岬へ着いた頃には、10時間ほどバイクに乗り続けていた。気温は12〜14度ほど。最北端まで来た勢いで「離島へ行ってみよう」と渡辺くんに提案すると、すんなりOKが出た。
RISHIRI / REBUN ISLAND
宗谷岬の先、
利尻島・礼文島へ。



利尻島を一周する
朝5時、稚内フェリーターミナルへ。利尻島は、寄り道をせずに巡ればバイクで一周1時間ほど。写真を撮り、「利尻らーめん味楽 本店」で食事をして、2〜3時間ほどで一周した。
小雨は止まず、ずっとレインウエアを着たまま。それでもフェリーターミナルへ戻れば、次は礼文島だ。
礼文、道が途切れた先
礼文島は、車道で巡れる範囲が島の一部に限られる。残りはハイキングコースで歩く場所が多い。スコトン岬は強風で知られ、離島でけがをすれば診療まで時間がかかることもある。
観光名所は比較的コンパクトにまとまり、短時間でも動きやすかった。島を離れるフェリーの上で、また訪れたいと思った。
SARUFUTSU / EASTERN ARC / CAPE ERIMO
エサヌカ線から道東、
襟裳岬へ。

清里、夜と朝
観光シーズンの7月下旬。宿が見つからず、清里で唯一空室のあったペンションへ泊まった。夜の小料理店と、翌朝ようやく現れた北海道らしい青空が残った。
地球の熱が噴き出す
清里からアトサヌプリへ。硫黄の噴気が立ち上る区域には立入制限もある。現地の柵、案内、係員の指示に従い、次の根室へ向かった。
根室の皿
根室では、渡辺くんの希望で喫茶店「どりあん」へ。薄切りの豚カツにデミグラスソースを合わせたエスカロップを食べた。
襟裳岬、風の正体
道中は小雨。襟裳岬では、バイクが倒れないか心配になるほどの風が吹いた。次は苫小牧。旅は帰路へ入った。



MACHINE IMPRESSION
北海道3,500kmで分かった
1190 Adventureの旅性能。
今回1190 ADVENTUREを選んだのは、空冷R1200GSとの違いを試したかったからでもある。2台で同じ北海道を走ったら、何を感じるのか。
R1200GSは一定の巡航速度を保ちながら流していく。対して1190 ADVENTUREは、次の目的地へ向けてアクセルを開け、加速していくのが似合う。BMWとKTM、それぞれのフラッグシップ・アドベンチャーには違う良さがある。
旅の後半、今回の個体は高回転まできっちり回らなくなってきた。走行距離は約3,500km。車両の状態と走り方を踏まえ、筆者は3,000kmほどを目安にオイル交換を考えたほうがよさそうだと感じた。これは今回の一台で得た所感である。
- DISTANCE
- 約3,500km
- DURATION
- 10日間
- MACHINE
- KTM 1190 ADVENTURE


EDITORIAL NOTE / SOURCES
旅の言葉を、
確かな情報で支える。
本文は当時の体験として再構成しています。運航、立入規制、店舗情報は変わるため、訪問前に最新の公式情報を確認してください。