WEB DIGEST / BUILD LOG 001
KLR650で
世界一周へ。
37Lを積む。
KLR650を選び、IMS 37Lビッグタンクを載せ、足りない部品は作った。 車両が完成したとき、旅を始められない理由が残った。

世界一周は、国境を越える前から始まっていた。ユーラシア大陸とアメリカ大陸の横断を見据え、選んだのは欧州仕様のKLR650。故障したときに直しやすく、IMS 37Lビッグタンクで給油地点の少ない土地を走れる一台を目指した。
WEB版では、長い準備を6つの判断に絞ってたどる。切断、溶接、燃料系統、ワンオフ部品の詳しい工程は、創刊号の8ページに残した。
- MACHINE
- KLR650EUROPEAN SPEC.
- FUEL
- 37LITERS
- EST. RANGE
- 800KM / CALCULATED
- PLAN
- 2CONTINENTS
CHOOSING THE MACHINE
世界一周の相棒に
KLR650を選んだ理由。
整備拠点が限られる地域で故障したら、その場で旅が終わる。だから選定基準は、最新かどうかでも、速いかどうかでもなかった。海外で流通し、構造を理解しやすく、手を入れられること。XR650LとKLR650まで候補を絞り、最終的に欧州仕様のKLR650を選んだ。


THE 10-GALLON ANSWER
IMS 37Lビッグタンクを、
海の向こうから。
給油地点の少ない土地を想定して選んだのは、IMS製の10ガロンタンク。フロリダのショップから680ドルで取り寄せ、当時の送料などを含む総額は約14万円になった。
でかい。
- CAPACITY
- 10 gal / 約37L
- PRICE
- $680 / 総額約14万円
- EST. RANGE
- 約800km
※航続距離は37L×約22km/Lによる机上計算。実走値ではありません。

NOT A BOLT-ON PART
KLR650に37Lタンクを載せる。
何も合わない。
タンクは北米仕様向け。車両は欧州仕様。取付ステー、フロントウインカー、エンジンガードのどれも、そのままでは使えなかった。
合わない理由を一つずつ見つけ、切って、位置を変え、必要な隙間を作る。取り付けではなく、車体側まで含めた製作になった。
取付ステーを切断し、欧州仕様の車体へ合わせて再製作。
タンクへ接触するフロントウインカーの位置を変更。
タンクとガードが接触しない距離を確保。




VACUUM FUEL PUMP
負圧ポンプで37Lの燃料を、
最後まで使う。
半透明のタンクなら、メーターに頼らず残量を目で確認できる。一方、タンクの最下部はキャブレターより低く、重力だけでは燃料を使い切れない。そこで負圧ポンプを使い、左右の低い場所から燃料を吸い上げる構成にした。仕組みとホースの取り回しは誌面版で詳しく紹介している。
ONE-OFF PANNIER RACK
パニアステーとガード。
売っていないなら作る。
欧州仕様KLR650に合うパニアステーは、ほとんど見つからなかった。ベースにしたのはヤマハMT-07用。車体へ合わせて切断し、溶接し、KLR650用へ作り替えた。
既製品を取り付けて終わるはずだった準備は、タンクから周辺部品までを作るプロジェクトへ広がっていった。

THE TRIP THAT STOPPED
KLR650は完成した。
旅だけが始まらなかった。
37Lタンクを備えたKLR650は完成し、知人とのツーリングでも走らせた。車両は、出発できる形になった。
しかし、ロシアによるウクライナ侵攻後、当時計画していたロシア横断ルートを実行することは難しくなった。これは計画当時の経緯を記したもので、現在の渡航可否を示すものではない。
旅は始まらなかった。けれど、作った一台と判断の跡は残った。

CONTINUE IN ISSUE 01
KLR650製作の全記録は、
創刊号で。
WEBで省いた加工の細部と写真を、8ページの誌面にまとめました。
- 候補車の比較と、KLR650を選んだ理由
- 37Lタンクの切断・位置変更・取付工程
- 負圧ポンプ、エンジンガード、パニア製作
- 全17点の写真とDUST DATA