
WEB DIGEST / MACHINE PROFILE 003
KTM 990ADVENTURE S12年乗って分かった、
ダートで際立つLC8。
電子制御へ委ねず、右手の入力へそのまま答える。2007年型の一台と過ごした12年を、4つの場面でたどる。
12年乗っても、まだ分からない部分がある。だから、またダートへ向かう。
990 ADVENTURE Sは、所有するほど静かにまとまっていく機械ではなかった。ワイヤースロットル、前後265mmのストローク、ABSを持たないS。入力を曖昧にしない性格が、ライダーへ次の一本を選ばせ続ける。
- MODEL YEAR
- 2007KTM 990 ADVENTURE S
- ENGINE
- 999CC / LC8 75° V-TWIN
- TRAVEL
- 265MM / FRONT & REAR
- PURCHASED
- 2014.0312 YEARS TOGETHER
舗装路から
ダートへ。
日が昇る頃、ダートを求めて高速道路を走る。ワイヤースロットルの入力へ、回転上昇の早いLC8が間を置かず応える。アナログのタコメーターが動くたび、今日を駆けるマインドセットが整っていく。
高速を降り、ワインディングを走る。前後265mmのWPサスペンションは舗装の凹凸をいなし、ブレンボ製ブレーキでフロントを沈めれば、高い目線から車体が向きを変える。コーナーをつないだ先に、ダートが現れた。

制御ではなく、
手応え。
この990 ADVENTURE Sは、トラクションコントロールもABSも持たない。モードを選ぶ必要はなく、そのままダートへ入っていける。右手の入力に対する答えが、車体から直接返ってくる。
アクセルを開けるほど車体は安定する。タイトターンの大きなスライドから、高速コーナーの小さなスライドまで、ピックアップのよいLC8が動きをつくる。追い込むほど、切り取りたいラインがはっきり見えてくる。
トラクションを作るのは、
電子制御ではなく右手。
- ABS
- NONE
- TRACTION CONTROL
- NONE
- RESPONSE
- RIGHT HAND
憧れを、
決断に変える。
十代からオフロードバイクに惹かれ、心の中にはいつも「ビッグオフ」があった。2003年に登場した950 ADVENTURE。左右分割式の燃料タンク、直線基調の外装、ラリーを出発点とするLC8。その姿へ、高校生だった私は「いつか絶対に」と思った。
社会人になっても、その「いつか」は消えなかった。950は990へ変わり、990も最終モデルの販売を終える。そんな頃、インターネット上に短い言葉が現れた。
「売ります 990 ADVENTURE S」
今しかない。しかも、ロングストロークサスペンションを持つABSレスのSだった。すぐに現車を確かめ、2014年3月に購入。憧れは、12年を共にする一台へ変わった。

三つの変更。
目的は一つ。
全ては、ダートを駆け抜けるため。
完成形へ近づけるためではない。純正を残し、必要な部分だけをダートへ寄せる。現在の姿には、12年分の判断が残っている。

- 012018 / FUEL TANK
SAFARI TANKS / 40 L
純正タンクを温存し、ダートで傷を気にせず使うために装着。転倒を重ねても、この車両では現在までトラブルは出ていない。
- 02LIGHT / HEAT
LEOVINCE SILENCER
軽量化と熱害対策を目的に交換。純正よりLC8が抵抗なく回るように感じられるという、長期所有者の選択だ。
- 034.25 TO 2.50
SUPER ENDURO R REAR
950 SUPER ENDURO R用リアホイールへ換装。タイヤの選択肢を広げ、現在はDunlop D908RRの140/80-18を履く。

EDGE, STILL RUNNING.
次は、
どこへ行こう。
990 ADVENTURE Sに跨がれば、考えるのはまたダートのことばかりだ。走り終えたはずなのに、次のラインを探している。EDGEと共に、ずっと。CONTINUE IN ISSUE 01
8ページの完全版は、
創刊号で。
WEBでは4つの場面を。誌面では、舗装路からダートへ移る一日の流れと、12年をかけた変更を写真と数字で追います。- 2007年型990 ADVENTURE Sの詳細スペック
- 舗装路とダート、それぞれの手応え
- Safari Tanks、LeoVince、リアホイール換装
- 8ページで読む、憧れから現在までの12年